潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis、以下UC)は、原因不明の炎症性腸疾患(IBD)のひとつです。
症状は腹痛、下痢、血便など多岐にわたり、再燃と寛解を繰り返す慢性疾患です。
この病気を語るうえで、避けて通れないのが「ストレス」との関係です。
医学的には「ストレスが潰瘍性大腸炎の直接的な原因ではない」とされてはいるものの、多くの患者さんが「ストレスで症状が悪化した」と感じているのも事実。
この記事では、潰瘍性大腸炎とストレスの関係性について考え、ストレスとの上手な付き合い方、そして心と体の両面から病気と向き合うヒントをお届けします。
潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎は、結腸や直腸の粘膜に慢性的な炎症を起こす疾患です。
日本では難病指定されており、完治する根治療法は今のところ存在しませんが、薬による寛解維持が可能なケースも多くあります。
【主な症状】
- 慢性的な下痢
- 血便
- 腹痛
- 発熱
- 倦怠感
特に再燃期には、トイレが手放せず、外出もままならないほどの症状が現れることがあります。
このような身体的苦痛だけでなく、「いつ再燃するかわからない不安」や「社会生活への支障」といった心理的負担も大きい病気です。
潰瘍性大腸炎とストレスの関係性

潰瘍性大腸炎の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が複合的に関与していると考えられています。
- 免疫異常
- 遺伝的要因
- 腸内細菌の乱れ
- 環境因子(食事、喫煙、感染症など)
その中で「ストレス」は環境因子の一つとして注目されており、発症のきっかけや再燃の引き金になる可能性があるとされています。
潰瘍性大腸炎はストレスで悪化する?
ストレスが身体に与える影響は多岐にわたります。
特に「自律神経系」「免疫系」「内分泌系」が複雑に関与しており、これらが腸の状態にも影響を与えるといわれています。
- ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、腸の蠕動運動や血流に影響
- 免疫系が過敏に反応し、炎症が悪化する可能性
- ホルモン分泌の変化によって、腸のバリア機能が低下
UC患者にとって、「心の安定=腸の安定」と言っても過言ではないのです。
「ストレスで再燃した」という実感
実際にUCを患う方の中には、「仕事の繁忙期に症状が悪化した」「家庭内のトラブルのあとに血便が出た」といった経験を語る方が多くいます。

繁忙期で休憩も取れず、トイレに行けない日々が続きました。なんとか乗り切ったものの、その後すぐに下痢と血便が止まらなくなり、病院で再燃と診断されました。

家庭の事情で大きなストレスを抱えていたとき、急に症状が悪化しました。薬を増やすことで何とか乗り切りましたが、ストレスは無視できないと痛感しました。
このように、多くの患者が「ストレスと再燃」に何らかの関連を感じており、体験的にその重要性を実感しています。
潰瘍性大腸炎とストレスとの付き合い方
潰瘍性大腸炎におけるストレス対策は、再燃の予防や寛解の維持にとって非常に重要です。
以下に、UC患者が取り入れやすいストレスマネジメント法をご紹介します。
1. 医療的サポートを受ける

- 定期的な診察を受けて、薬の調整や症状のモニタリングを行う
- 不安感が強い場合は、精神科・心療内科と連携することも検討
2. ライフスタイルの見直し
睡眠不足は腸にも悪影響を及ぼします。まずは基本的な睡眠不足の解消を心がけたいですね。
消化に優しい食事を心がけるだけでなく、食べる時間も整える。
さらに体調に合わせて、ウォーキングやヨガなど、軽い運動ができると自律神経を整えてくれます。
ただ正直、こんなことはわかっていますよね。簡単にできたら苦労しないよ!ってのが本音だと思います。忙しく時間がとれない方でも、「1日15分は心を整えるための時間を作る」というように、自分と向き合う時間を作るところから始めてみましょう。
3. 心のケア
ストレスを感じたら、家族・友人やカウンセラーに話す、日記をつけるなど、自分の心を「外に出す」ことで緩和されるかもしれません。話を聞いてくれる人がいなくても、日記をつける、紙に気持ちを書き出してみるだけでも発散になる可能性があります。
完璧を求めると、自分自身が辛くなってしまうものです。病気と共に生きている自分に「よくやってるよ」と声をかけることが大切です。
潰瘍性大腸炎の人の社会との接点
働き盛りの世代がUCを発症すると、仕事との両立が悩みの種となります。無理をしてストレスを抱えれば、再燃のリスクが高まるため、「無理のない働き方」を模索することも必要です。
就労支援制度の活用

潰瘍性大腸炎は指定難病となっており、就労支援制度の対象です。「体調を優先しつつも働きたい」「理解のある職場を探したい」という方は、検討してみてください。
就労支援制度では、以下のようなサポートが受けられます。
- 障害者雇用枠の活用
- 就労移行支援事業所でのトレーニング
- 主治医の意見書をもとにした職場との調整
仕事は収入のためだけでなく、やりがいや社会参加を感じられるものです。生活の一部となりますので、心地よい場所を選ぶべきであるといえるでしょう。
テレワークや在宅ワークといった職種も希望して、働ける環境を整えていきましょう。
長く勤められる職場を探したいという方は、就労支援制度を活用してみてくださいね。
潰瘍性大腸炎・クローン病だと働けない!?仕事探しには難病就業支援がおすすめ>>
「一人で抱え込まないこと」が一番のストレス対策
潰瘍性大腸炎は、周囲から理解されにくい側面のある病気です。見た目では症状がわからないため、「怠けている」「気のせいでは」などと言われて傷つくこともあるかもしれません。
しかし、自分のつらさを否定せず、必要なときには医師、家族、職場、支援機関に頼ることは、決して「甘え」ではありません。それは「病気と向き合うための正しい戦略」です。
同じ病気を持つ人とつながる患者会やSNSコミュニティも、心の支えになるでしょう。
心と腸は、つながっている
潰瘍性大腸炎は、肉体だけでなく、心にも大きな影響を与える病気です。心が安定することで、腸も落ち着くという循環があります。
「ストレスをゼロにすること」は不可能ですが、「ストレスとどう付き合うか」は選べます。
焦らず、無理せず、自分にやさしく。そうして心を整えることが、腸を守ることにつながるのです。


コメント