発達障害の子どもたちが学校生活の中で孤立しやすかったり、誤解されてトラブルに巻き込まれたりすることは少なくありません。
親としては、「この子が安心して学校に通えるのか」「もし何かあったとき、どう支えればいいのか」と不安になることもあるでしょう。
この記事では、いじめにつながりやすい背景とその対処法、そして親子で大切にしたい「心の持ちよう」について、発達障害の特性に寄り添いながらお伝えします。
なぜ発達障害のある子がいじめられやすい?

発達障害の子はみんなと違うから
発達障害のある子は、言葉の選び方、表情、声のトーン、行動パターンなどに“定型発達の子”とは異なる部分が見られることがあります。
- 空気を読むのが苦手(ASD)
- 衝動的に行動してしまう(ADHD)
- 授業中に集中できず、注意されることが多い(LD・ADHD)
こうした違いは、子ども社会の中では「変わってる」と捉えられ、からかいや無視の対象になることがあります。
本人が「からかわれている」と気づきにくい
例えばASD傾向のある子どもは、言葉の裏や皮肉・冗談を理解するのが苦手な場合があり、悪意のある言葉を真に受けてしまうことも。
本人が「いじめられている」と自覚していないうちに、周囲の悪ノリがエスカレートしていくリスクがあります。
支援が不十分なまま通常級に在籍している
「支援級に行かせたくない」「普通学級で頑張ってほしい」といった親の願いから、必要な配慮を受けられないまま集団の中にいることで、本人がつらい思いをするケースがあります。
「困っているのに助けを求められない」「先生が気づかないうちに孤立している」など、サポートの不在がいじめの温床になりやすいのです。
在籍クラスを決める時は、子どもの過ごしやすさを重視してみるといいかもしれませんね。
いじめが起きる“きっかけ”
いじめといっても、その多くは突然起きるのではなく、小さな違和感の積み重ねから始まります。
いじめの“きっかけ”になりやすい場面
- グループ活動で「変わった発言」をした
- 先生に注意されたところを見られた
- 持ち物や服装が目立った
- 思ったことをそのまま言ってしまった
- 暴言やルール違反をしてしまいトラブルに
悪気がなくても、「浮いた存在」「反応がおもしろい」といった認識が広がることで、対象にされやすくなるのです。
親が気づける“いじめのサイン”
- 学校に行きたがらなくなる
- 物が壊れていたり、なくなっている
- 成績が急に下がる、忘れ物が増える
- 情緒が不安定(夜泣き・爪噛み・チックなど)
- 「友達の話」をしなくなる
これらのサインが見られたら、「いじめかどうか」は別として、学校生活に何かしらの困りごとがあると考えてよいでしょう。
発達障害のある子へのいじめ|親ができる具体的な対処法

まずは、子どもの話を否定せず聞く
「それは気のせいじゃない?」「もっと強くならないと」などと否定せず、まずは気持ちに共感して聞くことが大切です。
発達障害のある子は、「どう言えば伝わるか」が分からず、話すのに時間がかかることもあります。焦らず、安心して話せる環境を整えてあげましょう。
記録を残す
被害の内容(日時・相手・状況)をメモしておくと、学校との話し合い時に冷静に伝えやすくなります。できれば写真や音声、LINEの履歴なども保存を。
学校との連携をとる
- まずは担任に相談(冷静に事実を伝える)
- 必要に応じて、学年主任・スクールカウンセラーに連絡
- 「本人の特性を理解した上での対応」をお願いする
対応が不十分な場合は、教育委員会や外部支援機関への相談も選択肢に入れます。
ただし最初から感情的にならずに、冷静に相談していけるよう心がけましょう。
必要に応じてクラス変更や転校も視野に
「この環境にいてはいけない」と思ったら、無理にとどまらせる必要はありません。
心の安全を最優先に、別の学びの場(支援級・フリースクール・オンライン学習など)も含めて検討していきます。
本人が「自分を守る」ためにできること
発達障害のある子どもは、周囲との距離感をつかむのが難しい場合もあります。
いじめから完全に自衛するのは難しいこともありますが、自分の守り方を身に着けた方が良い場合があります。
自分の「苦手」「困る場面」を知る
例:
- 怒っているとき、声が大きくなる
- 相手の気持ちに気づきにくい
- しつこく話しすぎてしまう
「だから悪い」という意味ではなく、「どう伝えるとトラブルになりにくいか」を一緒に考える機会を作っていきましょう。
自分を責めない言葉を身につける
- 「気づかなかっただけで悪気はなかった」
- 「やり直せば大丈夫」
- 「わたしはわたしのままでいい」
安心できる大人から、肯定的な言葉のシャワーを受けて育つことが、子どもの「自己肯定感の土台」になります。
「いじめ」に向き合う私たちの心の持ちよう

いじめ問題に直面すると、親も深く傷つき、動揺し、不安や怒りに飲み込まれることがあります。
でも、こんなときこそ大事にしてほしいのは、「子どもにとっての味方は、いつもここにいる」という姿勢です。
もちろん、いじめはあってはならないものですが、支えられた経験、自分らしさを理解してくれた人との出会いが、その子の人生を豊かにするきっかけになることもあります。
その子の「生きやすさ」は、ひとつの環境だけで決まらない
「発達障害があるからいじめられるんじゃないか」
「この子はちゃんと生きていけるのだろうか」
そんな不安を感じるのは、わが子を大切に思っているからこそです。
でも、子どもが過ごす環境は一つではありません。学校がすべてではありません。
「わかってくれる人がいる」「安心できる場所がある」――その実感が、いじめの痛みを癒し、再び前を向く力をくれます。
そして何より、親自身が「この子の味方であり続ける」と信じて寄り添うことが、子どもにとっての最大の安心なのです。
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